重要なチャンスは1度きり
重要なチャンスは1度きり
※書き慣れていないため読み辛い点はご容赦ください。
成人式の後、中学の集まりがあった。同窓会と言うほどでもなく、ただ中学校近隣のカラオケで集まるだけの形式。大体60人ほど居た。その中にその人は居た。
初恋の人
その人は昔の面影があった
胸が高鳴った
声を掛けたかったが、その場ではあまり自由に動くことができず、近場にいた友人と話しているうちに時間は過ぎていった。そうこうしている内に、いつもの仲間に通路に呼び出され、店を抜け出すことになった。その前に少しでも話したいが、その人はまだ部屋の中にいる。私の運もこの程度かと思い、諦めて店を出ようとした。
その時、その人が通路に出てきた
心拍数が跳ね上がった
話をしたい
声を聴きたい
しかし、未熟な私は緊張で動けなくなっていた。すぐそこにいるその人に、今こちらを向いているその人に、たった一声掛けることができれば、一目合わせることができれば、何かが変わったかもしれない。
結局、一声掛ける勇気すらも出せず、臆病者の私は機会を逸してしまった
その後は酷く後悔した。まだ、振られた方が良かった。声を掛けて無視される方が良かった。毎日の様に夢を見て、目が覚めて絶望した。辛い。苦しい。死にたい。
あまりにも辛く、辛さを忘れるために勉強することにした。私の専門でなるべく時間のかかる資格。電験3種という資格があるらしい。そうと決めてから、講義とバイト以外の時間はずっと勉強した。毎日6,7時間はその勉強に当てていた。見たことも聞いたこともない、当時はネットで調べてもほとんど情報の出てこない、設備や専門外の機械の話。図書館で文献を調べたり、本屋で参考書を探したり、勉強は酷く効率が悪く、長い時間を要したが、その方が余計なことを考えずに済んでありがたかった。数ヶ月する頃には、過去問で合格圏の点数を取れるようになっていた。大学の講義はほとんど聞かなくても理解できるようになっていた。
その冬、私の元には免状が届いた。
私は勝ち取った!失恋の辛さを力に変えた!
しかし、初恋の人に再会する機会は遂に訪れなかった。
虚しかった。砂漠の真ん中で1人佇んでいる様な気持ちだった。
私にとって電験3種は失恋の資格。
人生で本当に重要なチャンスは、1度しか訪れないことを心に深く刻み込んだ。
大きな節目となった20歳のできごと。
以上となります。
この拙い文章を読んでくださった方が、大切なチャンスを掴みとること、この貴重な経験をくれた初恋の人が、どこかで幸せに過ごしていることを願って、締めくくりとさせていただきます。
ご清覧いただきありがとうございました。
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